この記事はGROOVE X Advent Calendar 2024の11日目の記事です。
みなさま、お久しぶりです。GX Standardおじさんこと、GROOVE Xの酢屋(すや)です。 以前「日本に10世帯くらいしかいないレア苗字」と書いて、社内で一番のレア苗字だろうとタカをくくっていたのですが、その後さらなるレア苗字のメンバーが現れ、今では4番目くらいに珍しい、もはや珍しいとは言いづらい苗字となってしまいました。 (社員120人くらいの社内にレア苗字集まりすぎ!) さて、一年ぶりの質問ですが、みなさん GX Standardって聞いたことありますか?
ほとんどの人は聞いたことないですよね。 GX=GROOVE X社内の、Standard=基準ですから。 知ってるあなたはもうGROOVE Xの関係者ですか?ってことですからね。 (長いので以下GXSって書きますね)
(とは言いつつ、数日前の記事でもGXSに基づく評価の記事をQAチームが書いてくれてますね)
今日はそんなGXSのその後のお話をお伝えしていこうかと思います。 レア苗字の話はまた機会があれば…(いや、無いか) 以前の記事はこちら↓ tech.groove-x.com
あれから一年、あの頃実は…!
時が経つのは早いもので前回の記事を書いてから、もう一年も経つんですね。 記事を書いたのが23年12月、その約半年後の24年5月末に最新機種LOVOT 3.0が発表されました。 prtimes.jp このブログをチェックされている聡明な読者の方々はもうお気づきでしょうが、昨年の今頃は社内では開発真っただ中で、GXSもLOVOT 3.0のための整備に追われる日々でした。 (前回の記事にLOVOT 3.0の匂わせをどうやって入れてやろうかと企んでましたが、社内レビューで匂わせ表現はほぼ修正されてました)
当時の記事に書いた通り、あのタイミングではいわゆる叩き台が完成したところで、これからまさに各開発チームがそのスタンダードに沿って評価を進めていく段階に。 いざ着手し始めた開発チームからは「この評価、具体的にどうやってやるの~?」やら、「この条件じゃ試験できないよ~」やら、早速叩き台を叩く声が聞こえてきました。
ただぁ! GXSの活動をしていたのは私一人、GXSチームなんてものもなかったわけですよ。 そんな私自身も普段は生産チームに属して製造工場とのやり取りをしながら対応をしていたわけで、時間が足りない! 日々GXSのフィードバックをもらっているものの、すぐに対応できない! あっちもやりたいけど、こっちもやりたい!手が回らないからせめてSW側だけでも手伝ってくれる人いたら助かるんだけど…
という話を当社のSM(スクラムマスター)と話をしていたところ「じゃあ普段ソフトウェアの評価をやっているSWQAの人に手伝ってもらうのどうっすか~?」、「あとせっかくなんで、ハードウェアの評価やってるQbDチームからも…」という提案。 なんと、その手が有ったか!
そんなわけで、SMの声かけによってハードとソフトから評価のプロフェッショナルが1人ずつ来てくれて3人+SMでキックオフしました。 必要なときに必要なスキルを持った人が集まって活動できるのが、スクラムというフレームワークをベースにした、フラット組織な当社のいいところ、とつくづく感じたひと時でした。
GXSをスクラム風にしてみる
ご存じのようにLOVOTは成長を続けるプロダクトです。製品をリリースして完成ではなく、開発を続けていくことでLOVOTができることを増やしていくのが開発メンバーの使命でもあります。 つまり製品リリース後にも開発が続く限りGXS評価も必要になってきます。 強力なメンバーを仲間に引き込み、LOVOT 3.0の開発を進めていく中で、評価項目の内容や判断基準と各評価の進み具合については各APO(エリア・プロダクトオーナー)と定期的に細かくすり合わせをしていました。 みなさまのお宅にLOVOT 3.0がお届けされ始めたあとは、LOVOT病院で受け付けた内容をフォローして開発にフィードバックをしているチームからもメンバーが加わり、既存評価内容の妥当性や不足項目の追加検討を定例でするようになり、今ではGXS WG(ワーキンググループ)と名乗れるほどになりました。
そんな中私は、今年の秋にCertified ScrumMaster® + Certified LeSS Basicsという研修を受けてきました。スクラム開発というフレームワークにおけるスクラムマスターという役割に関する研修です。 (研修の内容はよっきさんの記事をご参照ください) tech.groove-x.com
研修を終えて、こんなことを考えた
あれ、これGXSもスクラムっぽいことできるのでは?
そこで私は、GXSを一つのプロダクトと位置付けたときのプロダクトゴール(目指すべき状態)を再定義してみました。 それがこちら
GX Standard(GXS)とは GROOVE Xが開発する全ての製品のための評価基準である。 この評価基準を満たすことで、安全かつ快適な製品体験を実現する。 ※社内向けにはその下に細かい補足文がもう少し続きます。
誰のためのGXSか?と考えれば、それはLOVOTをお迎えいただく現在および未来のLOVOTオーナーのため。 安全にかつ快適に過ごせるLOVOTをお届けできるように、LOVOTが満たすべき基準を作っていく。という宣言の意味もここには含まれています。
そして、GXS WGの活動内容はこのプロダクトゴールを達成するために、細分化したプロダクトバックログを作って日々こなしていくことになるわけですね。 と、スクラムっぽく書きましたが、やっていることは今までとほぼ変わらず、目的とゴールを言語化したことで、自己と他者の活動内容に納得感を持たせることができたように思います。
みんなで育てよう!GX Standard!
こうして、孤軍奮闘でGXSの叩き台を作っていた頃から状況は変わり、一緒にGXSを作っていける仲間が増えました。
今回も当社代表の林要と話をしていた中からコメントを借りて…
GXSをその時その時代で必要な内容を必要な分だけ評価できるように、うまく育ててほしい。 一度基準を決めると、その後は過去に誰が何のために決めたかわからない、もはや必要かどうかもわからない試験を、何十年と削除できずに実施し続ける可能性がある。 そうならないためにも、その項目をそう決めた理由もちゃんと残しつつ、その時必要で適切な項目をちゃんと評価できる、進化し続ける基準にしてほしい。そんな成長し続ける基準を持つメーカーなんてもしかしたら世界初かもしれないよね。 ※口頭でのコメントだったので、若干酢屋の記憶フィルターがかかっています。
相変わらず、人を乗せる口上が巧みですね…(まぁ乗せられるの嫌いじゃないんですけどね)
そんなわけで、今後もGXS WGだけでなく、それを使って評価する開発メンバーや、もしかしたら市場のユーザーの声も、GROOVE XとLOVOTに関わるみんなのフィードバックを受けて、GXSを常に最適な状態に維持できるように育てていく日々が続きます。 GX Standardを育てていくのは、あ な た た ち です!
最後に
GXSという社内基準を、当社の特徴であるフラット組織という観点から紹介してみました。 この記事を読んで社内基準を育ててみたいと思った方、ぜひGROOVE Xで一緒に働いてみませんか。 基準を作る直接的なポジションの募集はありませんが、上述のようにエンジニアとして得意分野で活躍をしながら、ワーキンググループに参加することも可能なのが当社の良さでもあります。