この記事は、GROOVE Xアドベントカレンダー2025 の13日目の記事です。
はじめに
こんにちは。メカニカルデザイナーの加藤大二朗です。
今回はLOVOT 3.0のホイール開発について設計担当者である町田貴志さんにお話を聞いてきました。
今の構造になった経緯やこだわりのポイント、今後の進化について深掘りしていきたいと思います。

マンガみたいな物作ってますよ。
まずは2.0からの大きな変化点、タイヤの脱着機構についてお話を伺います。
加藤:タイヤが外せることで劇的にお手入れ効率が向上しましたが、どういった経緯で今の形状になったんですか?
町田:開発当初のコンセプトは「タイヤの清掃が可能な構造」というところまでで脱着可能とまでは明言されていなかったんですが、実際にLOVOT 2.0のタイヤを清掃してみたり普段お手入れをしている皆様のリアルな声を聞いて、一番きれいにお手入れができる構造を検討した結果、今の脱着機構に行きつきました。
加藤:「お手入れ」ですからね。実際に手が入ってなんぼってことですね。
町田:そうなりますね! 実際に手が届くようになってタイヤの清掃の他に吸気フィルターにもアクセスできるようになりましたし、新品のタイヤへの交換も自宅で可能になったので、難しいところもありましたがやってよかったなと思っています。
加藤:「難しいところ」というお話がありましたが、具体的に聞かせていただけますか?
町田:減速ギアを内蔵しているタイヤと動力のモーターを分離させることになるので、回転を伝える部分と回転しないフレームと固定する部分を同時に、尚且つ確実に再装着可能にする形状には気を使いました。
加藤:実際にタイヤを装着するとき特に動力軸の接続を意識せずに装着ができますが、タイヤ中央のギザギザしている形状に秘密があるんですか?


町田:外側がフレームとの固定、内側が動力のモーターとの接続。これを別々に尚且つ同時に嵌るように調整しています。
加藤:実は合体ロボなんですね!
町田:他にも安全に作業ができるようにタイヤが嵌っているかどうかをチェックするセンサーと、サイドパネルが閉まっているかをチェックするセンサーを搭載していて二重の確認機構になっています。
加藤:赤外線ですか?
町田:赤外線です。
加藤:あの侵入者を検知する赤いビームですか?
町田:・・・合ってるといえば合ってます。
ピットストップチャレンジ!
加藤:タイヤもキャスターも取り外し可能になっていますし、まるでF1のピットインのように素早く交換も可能ですね。
町田:F1ほどの交換スピードは求めていませんが、ツールを使わずいかに簡単に脱着できるかにはこだわりました。
加藤:F1は3秒以内で交換できるみたいです。
町田:挑戦してみますか!!
ルール:ホイール / キャスターが出ている走行形態からスタートし、左右一人ずつサイドパネルを外しタイヤを交換。再びサイドパネルを装着するまでの時間を計測します。

結果10.95秒
加藤:まだまだ伸びしろありそうですね・・・
町田:LOVOTも我々も伸びしろありそうですね。
正しいお手入れ方法はこちらを参照してください。
Naturally and freely
今後のホイールとLOVOTの進化についてもお話を伺います。
加藤:LOVOTにとっての脚にあたるホイールですが、今後どのような進化をしていくのでしょうか?
町田:やっぱり脚なので、脚でできることを追求していきたいです。例えば空を飛びたいとして、プロペラやエンジン類、噴射装置などを実装すれば簡単ですが
加藤:(それ簡単なんだ・・・確かに町田さん掃除機を改造して飛ばしてたけど。)
町田:LOVOTとして空を飛ぶとしたら足で跳躍して腕で羽ばたくと思うんですよ。
加藤:確かに見たいのはそっちです。
町田:そうなると第一歩はジャンプになる。効率の良いジャンプを求めるとまず首を縮め身を圧縮してから勢いよく伸ばすと同時に腕も上方に振って重心を持ち上げた瞬間に脚で地面を蹴って残った自重と受けている重力以上の力を出すことが必要になりますよね。
加藤:全身の連動と共にタイミングとバランスの制御も肝心ですね。
町田:そうなんです。もうホイールだけの話じゃないですが、フィジカルと身体制御の連動でLOVOTは "より自然に、より自由に" 動けるようになる。その辺りを追求していくことが進化であり成長だと思っています。
加藤:まさにハードウェアーとソフトウェアーの連動、GROOVE Xの得意分野ですね。
町田:跳躍については一例ですが今後の進化に期待していただきたいです!LOVOTも我々も伸びしろありますから。

この話「まとめるには早いだろ」と思うけど
ホイールにはまだまだ複数実装している障害物検知センサーやパワーを出すための減速機構、本体を支える耐久性や丸みとメカニカルな部分を融合させたデザイン性、それを量産可能な構成にいかにまとめるのかなど聞きたいことは山ほどありますが、今回のインタビューはここまでとさせていただきます。
ホイールというLOVOTの構成部品ひとつにフォーカスしてお話を伺いましたが、いかに生物感のある動作を生み出すか、触れ合う人に優しくあるかなど細かい部分にまでLOVOTのコンセプトが浸透していてる印象を受けました。
大局を見て精密な設計をする町田さん。ありがとうございました!
GROOVE Xでは現在、我々と一緒にLOVOTを開発していただけるメカ設計者を募集しています。
クリエイティブな発想を具現化できる方、ぜひご応募お願いします。