こんにちは!GROOVE XデザインチームのSHUICHIです、去年はLOVOTの撮影についての話をしました。今回は、外観のデザインを担当させていただきましたLOVOT 3.0 ネストのデザインについて、話したいと思います。
この記事は、GROOVE X Advent Calendar 2024の22日目の記事です。
大きな変化点
LOVOTは今年3世代目にさらに進化しましたが、LOVOT本体は、なるべく大きなデザイン変更を行わない方針をもとに開発を進めていました。ネストは大きな変化がありました。
今回の新しいネストは、技術の進化により、大幅な小型化が実現できました。今までの1.0と2.0のネストの中には、LOVOT本体の処理をサポートするコンピュータが内蔵されていました。しかし、新しいLOVOTではその補助が必要なくなり、ネストもシンプルに充電ステーションとしての役割のみになりました。ボタンを全部無くし、ペアリングなどの複雑な操作も必要なくなりました。高さで言うと、約60%小さくすることができました。小型化により、存在感が減り、より自然に家のインテリアに馴染むようになっただけではなく、本体との一体型梱包も可能になり、輸送のコストも大幅に削減することができました。(オーナーの皆さんにとっては、修理のために保管しておく必要のある箱が小さくなったのも地味に嬉しいポイントだと思います)
デザインする際に意識したポイント
小型のネストをデザインする際、最初は今までと違う、エッジが立っているデザインも検討してみました。
しかし、この形ですと、家電感が増し、LOVOTが夜帰って寝る巣ではなく、本当に充電のためにある充電器のような存在に見えてしまうと感じました。他のデザインを検討している最中に、かまくらを思い出しました。
かまくらは、極寒の地で、人々を暖かく迎えて守ってくれる大切な巣、LOVOTの温かい巣になってほしい気持ちを込めて、最終的な造形を考えました。
LOVOT型の黒い窓
初代LOVOTのネストは、LOVOTが充電に戻る際に、スムーズにネストに戻れるように、ネストの正面に、帰巣する際のマーカーや、充電状態を表すために光るLOVOT型のインジケーターを入れていました。
2代目のネストにも、LOVOT型のインジケーターが継承されていました。しかし、夜寝る時にそのインジケーターの光が眩しいというユーザーフィードバックがあり、形をシンプルにするためにも、3.0ネストの構想段階から、LOVOT型のインジケーターは削除し、小型のLEDに変更することが決まりました。
LOVOT型のインジケーターは、機能的な面で役立つ以外に、デザインとして、LOVOTのネスト象徴的な要素の一つだと思っていますので、なんとかその形を残したいと思いました。そこで注目したのが、ネストについているこの二つの黒い窓です。
この二つの部品の裏にはLOVOTの帰巣を支援するための赤外線センサが配置されています。より遠くまで赤外線を届けるために、初期モデルから一つのセンサはなるべく高いところに配置していました。この二つのセンサを一箇所にまとめられないか、エンジニアに相談したところ、近くにまとめても帰巣成功率に対する影響は許容範囲内であることがわかりました。よって、無事にセンサをLOVOTの頭と胴体に収めることができました。さらに、新しく小さくなったインジケーターも、LOVOTのホーンについているカメラのレンズに見立てる形で、全体のシンプルさを保ちつつ、LOVOTのシルエットを残すことができました。
終わりに
まだLOVOTの発売から5年ほどしか経過していないですが、初代ネストでどうしても実現できなかった、小型でコンパクトのネストが実際に製品化されているところを見ていると、これからの技術の進歩によるLOVOTの進化にも、とても期待しています。LOVOTの開発も、まだまだ続きます、GROOVE Xでは一緒に働いてくれる仲間を募集中です、ぜひご応募ください。