こんにちは! GROOVE Xのエリアプロダクトオーナーのよっきです。
いきなりですが、今年に入って、社内で哲学対話を始めてみました。
ロボットのような多数の専門分野を集結させて作るプロダクトでは、複数チームの連携が欠かせません。このチーム間の連携をよりよくしていくために、チームの垣根を超えたメンバー同士のつながりを強固にしていきたいな、と思っておりました。
そんな中で出会ったのが哲学対話。
今回は、この哲学対話を始めたきっかけや狙い、そして、どんな感じで実践しているのかについて、まとめてみます。
なぜ始めたのか
GROOVE Xでは、毎週火曜日のランチ時間に「GROOVE LUNCH」という何でも発表して良い場所があります。 展示会や講演会を聞いた報告や、本を読んで面白かったところの共有、輪講したり、作ったものを共有したりと色々なものをみんなが発表しています。 私はもっぱら読んだ本の共有が多いです。
私が去年読んだ本の中で一番心に残っているのが「ゆっくり、いそげ」という本。 この本に書かれていた、他者と共に自由に生きていく社会を目指そう、というのにとても共感したのです。
不自由な共存でもなく、孤立で自由でもない。自由で共存する社会。
本書では社会という大きなものとして捉えていますが、会社という組織も一つの社会だとすると、会社内で自由に働きつつ、それでも皆で一体感を持って共存していける組織が作れたらいいなと思ったのです。
きっと自由に働けている状態が最もパフォーマンスが出てるんだと思うのですよね。
で、この自由で共存する社会、改め自由で共存する会社ってどう作ればいいのだろう、と漠然と考えいた時に出会ったのが「考えるとはどういうことか」という本。 この本で、他者とともに自由になるために哲学対話というのが有効です、と書いてくれていたのです。 これだ!と思って、どうすればいいだろう、と本書を進めていくと、やればうまくなるよ、って書いてありました。そうか、やればいいのか。
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哲学対話の狙い
哲学対話そのものの意義としては
- 自分の意見を言う練習をする
- 他人の意見を聞く練習をする
- これらを通して、自分を相対的に理解する
という感じで、まずは自分に自覚的になるきっかけ作りが哲学対話の意義だと思っています。
この自分に自覚的になることが「自由な共存」への一歩になります。
どういうことかと言うと、他者を知って他者に合わすと自分が疲れる。これだと不自由な共存になってしまう。まずは、自分という存在があり、その上で他者とどう付き合っていくか。自分はどうしたいか。これを知り、話すことをしない限り、自由な共存への道は開けない。そして、自分がどうしたいかをちゃんと出すことで、他者も私を理解してくれて、そこから良好なコミュニケーションが生まれる。
これが、チームや会社と良好な関係を築けることに繋がり、そして、働きやすい環境作りに貢献できるのではないか、と考えています。
イメージとしては、映画「スラムダンク」で宮城リョータが最後に自分の感じたことを素直に発言したことで家族との関係がよくなった(よくなりそうに期待できた)、という感じです。
素直な自分を伝えることから、関係作り、すなわち自由な共存が始まるのです。
哲学対話実践秘話
哲学対話での理想を夢見つつ、いままで計2回、社内で哲学対話をやりました。 実際どんなことをして、どんな話をしたのかを紹介します。 やってることは「考えるとはどういうことか」の本に書かれていたことをほぼそのまんまやっています。
アジェンダはこんな感じです。
- 導入(10分)
- モヤモヤ思ったことを出し合おう(20分)
- 出し合ったモヤモヤからみんなで深堀りしたいテーマを決めよう(20分)
- 決めたテーマについてみんなで深堀りしてみよう(20分)
- エンディング(10分)
普段過ごしている中で感じたモヤモヤを出し合い、そのモヤモヤについて語り合う。 答えはないし、結論も出さない。「正解」のない問について、自分や他人の声に耳を傾け、言葉を交わしていく。
2回やって、それぞれ3名ずつ、延べ5名が参加してくれました。
その時に話ししたモヤモヤは以下です。
- 優しさとは何だろう?(特に相手がネガティブな時)
- 指摘側と受取側のズレがなぜ生じるのか?
- 自分と他人の認識のズレを解消するコミニュケーションは何か?
- なぜ人は科学を鵜呑みにするのか?
- 合理的に解決しようとすると溝が深まるのはなぜか?
- 金銭的価値に換算できない無いものはなぜ企業で導入しづらいのか?
- 客観性だけで決められないものを法律で決めるのはどうなのか?
これだけ並べると、めちゃくちゃ大きなテーマを議論しているように見えますね。 プライベートや仕事での話。中には切実な悩みもありました。
やってみての私の感想です
- モヤモヤを疑問形(問い)にするのが難しい。モヤモヤしていることってどういうことだろう、と考え始めるとよくわからなくなってくる。とりあえずエイヤで問いにしてみると、対話の中で問いが書き換わっていって、なるほど、と思うことは多々あり、まず勇気を持って表に出すのって大事ですね。
- それぞれ別々にモヤモヤを出してるけど、モヤモヤ同士の共通点が見えた時、なんか個人的にめっちゃ面白いなって思います。指摘側と受取側のズレの話をしていると、優しさの話と繋がったときはめっちゃ面白かった。
- 対話をしながら整理していくと、私がお金に執着していることに気付いてきました。お金に執着ないと思っていたのに。
という感じで、モヤモヤがわからなくなったり、そういうことかという共通点が見えたり、そうじゃない自分が見えたりと、いろんな気付きがあります。 わからない自分を口に出し、皆と共に議論していくことで、自分理解が深まっていくのかもしれないな、と思いつつ、まだ2回なので、自分理解の道はまだまだ遠いようにも思います。自分というものは変化していくかもしれないですしね。
共通の話題で議論した、という経験が仲間意識を作っていく、という感じもしています。 勘違いかもしれませんが ^^;
最後に
ちょっと抽象度の高い話を書いてしまいましたが、やってることは1時間半ほど対話しているだけなので、固くなりすぎず、続けていきたいと思います。 そのうち、社外の人も巻き込んでやっていきたいな。
GROOVE Xは良きチーム作りにも力を入れています。チーム作りにも興味ある方、絶賛メンバー募集中ですので、よかったらお話しましょう。 お待ちしています。