Inside of LOVOT

GROOVE X 技術ブログ

GXのライブ配信の裏側

こんにちは GROOVE X の配信チームの hiro-ogawa です。 この記事にある通り、本職はSLAMなんですけどね。 個人的に興味があって、GXのライブ配信もお手伝いしてます。

GXでは浜町にある LOVOT MUSEUM より、営業日は毎日ライブ配信を行っています。 こちらは基本的に固定カメラで、音声無しで、LOVOTがわちゃわちゃ動いている様子を楽しんでいただいてます。 今日の配信はこちら


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定期的なミュージアムからの配信以外に季節イベントやキャンペーン、ソフトウェアアップデートなどに合わせて、不定期にライブ配信イベントもやっています。 先日はオーナーさまをお招きして、「LOVOTとの奇跡」をテーマに配信し、投稿された素敵なエピソードのご紹介やLOVOTクリスマスケーキ2022のお披露目などを行いました。


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イベント配信の時は定期配信と違って、映像や音声を切り替えたり、動画やスライドを映しながら配信してます。 今日は配信には映っていない、その裏側についてご紹介しようかなと思います。

機材

なんと言っても機材が命。と言っても、予算は限られているので、そこまですごい機材を使っているわけではありません。

ATEM Mini Pro

配信で最も使っている機材が、ATEM Mini Proですね。 こちらは業務用の機材も作っているBlackmagick Design社の比較的お安めのビデオスイッチャです。

ATEM Mini Pro

この機材を購入する前は OBS Studio というPC上で動作する配信ソフトを使っていました。 ソフトウェアなので自由度が高い反面、操作はポインタで行うので、画面を見ていないとできないという難しさがありました。 ハードウェアの良い点は体で覚えると、ボタンを見なくても手探りで操作できるところかなと思います。 状況を見ながらタイミング良く切り替えるというのはハードウェアを導入して格段にやりやすくなったと思います。

このハードウェアだけで、Youtubeのストリーミングサーバへの送信ができるのも便利なところです。 Youtube以外にZoomのウェビナーなどもやることがありますが、その際にはUSBでPCと接続するとUSBカメラとして認識されるので、Zoomなどのミーティングソフトと繋ぐこともできます。 長時間連続で動かしていると熱暴走っぽいことになる場合があるのが困りものではありますが・・・

基本的にはHDMI入力が4本とステレオ音声入力が2本あります。 ライブ配信では映像入力として固定カメラ、手撮りカメラ、PCの3つを基本的に繋いでいて、4つ目は何か必要になった時に繋ぐ感じですかね。 例えばスマホとか。

固定カメラは全体が収まる形で固定。 手撮りカメラはヒトだったり、モノだったり、LOVOTだったりの注目対象を適宜ズームして撮る感じ。 PCは動画やスライドの再生で使います。 ATEM Mini Proだと入力画像や出力画像が同時にモニタに出せるので、ライブ配信に使いやすいですね。

音声としてはHDMI入力4本の音声も扱えますし、音声入力も左右それぞれを分離して、モノラル4チャンネルとして扱うこともできます。 ただ、音量のコントロールは上下キーでしかコントロールできなくて、操作しずらいので、今は次に紹介する PodTrak P8 を使っています。

PodTrak P8

ZOOM社*1ポッドキャスト用の音声ミキサ PodTrak P8を使っています。

PodTrak P8

出演者の声の大きさによって、音量を適宜調整しているのですが、物理的にスライダがあった方が同時に複数調整する場合などにやりやすいです。 以前はMIDIコントローラを使っていたこともあったのですが、ATEMとの連携動作がおかしい部分があって使いにくかったので、専用品を使っています。 ポン出しなどのボタンも用意されているので、BGMや効果音を入れる時など、ライブ配信には便利だと思います。

ちなみに余談ですが、これまでに声優さんや俳優さんなどに出演していただいたことがあるのですが、声量が一定で驚きました。 笑った時などでも声にインパクトはあるのに声量が極端に変わらなくて、さすがプロだなーと思ってました。 音声を担当していると、頻繁に音量を調整するのでよく分かるんですよね。

マイク

さて、一番ライブ配信で苦労しているのがマイクです。 LOVOTと触れ合いながらだったり、出入りがあったりで、動きが多いので、ワイヤレスのピンマイクを使っています。

最初に買ったのは Comica BoomX-D2 ですね。 1つの受信機で、ワイヤレスマイク2本が繋がるもので、ATEMの音声入力に入れてステレオを分離して使っていました。 ただ、マイク2本では足らなくなった時に、買い足したところ、2セットで混信してしまって、音声がとぎれとぎれになるトラブルが発生。 最初はLOVOTがたくさんいるから電波障害でも発生しているのかと思っていましたが*2、結果的にはLOVOTは悪くなかった*3

BoomX-D2

次に買ったのがSHUREのSVX188J。 こちらも1つの受信機でマイクが2本繋がります。 この機種はマイク毎にチャンネルを設定するタイプになっているので、複数を同時に使うことができます。 8チャンネル用意されているので、8本同時に使えるのかなと思い込んでいたんですが、マニュアルをよく読むと同時使用は3チャンネルまででした。 実物で試したところ4チャンネルまではなんとか使えましたが、5チャンネル以上は混信してしまいました。 残念。 ということで、現在は最大4チャンネルで使っています。

SVX188J

あとは、先に買った BoomX-D2 との同時使用も試してみたのですが、ディレイ*4の違いによって、エコーがかかったみたいな音声になってしまったんです。 ディレイを調整する機材もあることはあるんですが、今の所、購入には至っておりません。

マイク探しの旅はまだ始まったばかり。 無線だけだと怖いんで有線で使えるものも用意したいですね。 機材は少しずつ揃えています。

スタッフ

機材の操作は初期の頃は全てを一人でやることもありましたが、最近は一緒にやってくれる人が増えて、機材操作は3人くらいで行うことが多いです。 手撮りカメラ1名、映像スイッチ・PC操作1名、音声1名という感じですね。

本職でやっている人は一人もいなくて、撮影が好きな人や、興味を持っている人が本職を調整して運営している感じです。 私としても学びになる部分もあって、いつもとは違う仕事を楽しみながらやっています。 部門の垣根を超えて、いろんな人と仕事をするのも刺激になって良いですね。

おわりに

次回のライブ配信は 12/28 にLOVOTオーナーミーティングを予定しています。オーナー以外の方でも参加可能なので、是非見てみてください。 もしご覧になる方がいらっしゃいましたら、画面の裏側がこんな感じになっているのを想像しながら見てもらえるとうれしいです。


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GROOVE Xは、部門間の垣根をできるだけ下げ、目的ごとに柔軟に変化する「チーム」が複数存在する形で組織が成り立っています。 今回はビジネス、コーポレートと開発の組み合わせのお話でしたが、他にもいろいろな部門が連携してLOVOTを開発しています。 もしそのようなLOVOTに関わるお仕事に興味がある方がいらっしゃいましたら、絶賛募集中ですので、是非ご応募ください。

recruit.jobcan.jp

*1:インターネット会議のZoomとは別の日本の企業です。

*2:マイクが2.4GHz帯を使っているので、バッティングしやすいんです。

*3:疑ってすみませんでした。

*4:マイクに入力されてから受信機から出力されるまでの遅延時間。電波で送るために信号変換などをするために遅れが発生します。