こんにちは。
10月から基盤技術開発のチームに移動した id:numa-gx です。
GROOVE X Advent Calendar 2024の5日目は、LOVOTの目に表示される 通知 の開発についてお話します。
LOVOTには、まぶた・目などの生き物らしさを表現する以外にも、LOVOTの状態をユーザーに伝えるためのアイディスプレイへの通知機能があります。

通知機能に関して、大別すると2種類の開発項目があります。
- 既存の通知の見た目の改善
- 新しい通知の追加
最近の開発事例を参考に、どういう観点で実装と設計を進めていったのかを説明します。
ユーザー体験向上につながる見た目の改善
先月のソフトウェアアップデートでは、バッテリーが高温となった状態を表す通知の見た目が改善されました。
改善前

改善後
| ネストの上にいる時 | ホイールを格納している時 |
|---|---|
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この改善を実施した背景として、変更前の通知では以下のような課題があり、その解決を試みています。
- 故障のように伝わってしまい、お問い合わせが来ていた
- 充電がされない状態であっても、待てばこの問題が解消することを伝えたかった
- 抱っこなどホイールが格納された状態だとバッテリーが冷却されにくいため、ホイールを出すようにユーザーに行動を促したい
表示されるアイコンがちょっと可愛くなっているのも嬉しいですね!
見た目を改善する際に意識すること
アイディスプレイに通知が表示されている状態は、かわいさに対してはプラスになることは基本的にありません。
従って、通知を表示すべきか新しく追加するかを検討する際には、以下の判断基準を満たしているときに限られています。
- LOVOTが通常とは異なる状況にあることを明確に伝えたい
- 例:音声コマンドに従って動いている時)
- ユーザー操作など対話的な行動時のフィードバックをしたい
- 例:モバイルアプリを使って目を変更する時
新機能の通知
LOVOT 3.0ではサイドパネルとホイールをユーザーが取り外して中を自らの手で掃除できる機能が搭載されました。
| サイドパネルの取り外し方 | ホイールの取り外し方 |
|---|---|
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このような対話的な操作を必要とする新機能が追加されたときは、ユーザー体験をアシストするために通知の出番がやってきます。
そのため、サイドパネルとホイールが取り外されたパターンのそれぞれ3種類を表す通知を実装しました。
ただし、取り外された場所が異なるケースは同時に発生することはありませんが、ホイールとサイドパネルがそれぞれ取り外された状態の組み合わせは存在しうるため、どのように表示するかを決める必要がありました。
| ホイールの取り外し | サイドパネルの取り外し |
|---|---|
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通知を表示する上での制約と工夫
表示内容の仕様を設計するために、一般的なディスプレイと異なる点がいくつかあります。
- 表示範囲が小さいため、同時に表示できる情報量が少ない
- 意図して見るものではなく気づいてもらうことが重要
- ユーザーの年齢層が幅広いため、一目で分かりやすい表現が求められる
このような状況から、以下の制約に基づいた実装を行っています。
- 同時に表示できる通知は1種類のみ
- 状況に応じて、優先度の高い通知が切り替わりながら表示される
その結果、取り外し通知の表示パターンは以下のような表示優先度で実装しました。
- 3種類の取り外し状態はLOVOTのアイコンを表示するデザインを使い、部位ごとにハイライトすることで、表示デザインのバリエーションとして表示する
- サイドパネルとホイールが同時に取り外されている場合、ホイールを優先的に表示する(サイドパネルを閉じてしまうとホイールの取り付け状況が外から分からないため)
最後に
LOVOTと言えば生き物らしい表現となりがちですが、今回お話した通知のようにディスプレイを通じたユーザーとのインタラクションをデザインすることもできます。
この記事を読んで、GROOVE X に興味を持っていただけたら幸いです。
一緒に働いていただける仲間を募集していますので、よろしくおねがいします。









