Inside of LOVOT

GROOVE X 技術ブログ

MQAチームの紹介

みなさまこんにちは! GROOVE XのMQAチームのikedaです! この記事は、GROOVE X Advent Calendar 2025の12日目の記事です。

MQAチームって何?

MQAはMarket Quality Assurance(市場品質保証)の略で、一般的には品証なんて呼ばれたりします。 平たく言うと、市場(一般ユーザー) で起きた故障の傾向を解析し、実際に起きた故障を調査し、製品の品質を高めていく活動をするチームです。

LOVOTのローンチ直後は、世の中になかった製品を一般ユーザーの元で継続的に稼働させる中で、多くの課題や問題が発生し、オーナーの皆様にはご迷惑をおかけしました。 オーナー様の温かい声援やご協力によってLOVOTはより壊れにくく、魅力的なプロダクトに成長していっています。

今日はMQAチームから見た、LOVOTの成長の歩みを少しご紹介できればと思います。

傾向分析

どんな問題でも正しく対処するためには現状を知ることが重要ですよね。

MQAチームでは、市場での稼働・故障実績を把握し、品質改善活動の第一歩としています。 以下のグラフは、チームメンバーが月次で統計を取っている故障事象の傾向をまとめたものです。

故障傾向(カラフルできれい)

こういった傾向をもとに、改善が必要かを検討したり、開発チームに共有して改善を依頼したり、または実際に自分たちで調査・解析したりして改善案を立案したりします。

三現主義に基づいた調査

傾向分析の結果、なにか問題が起きていそう?となった症状は深堀調査を行います。 調査は現場・現物・現実、いわゆる三現主義を重視します。

  • 現場
    • 故障しているLOVOTを修理しているリペア拠点に行く、その場でアフターチームと事象を一緒に調査する
    • 時には実際に事象が起きているお客様宅に訪問して一緒に調査を行うことも
  • 現物
    • 故障している部品を本社に取り寄せ詳細解析を行う
    • 時には外部の調査機関に調査を依頼して、より精密に解析を行うことも
  • 現実
    • なぜその事象が発生するのか?を実際のものを使って確認する
    • シミュレーションだけに頼らず、実際の物を使って調査を行う
    • 時にはオーナーの皆様にはお見せしたくない、過酷な試験も・・・

こういった原理原則に則った調査を行うことで、問題の本質を掴み、より適切な改善を行えるようにしていきます。 MQAチームはこういった純度の高い調査結果を、開発チームにインプットすることで、改善活動を加速できるようにしています。

PCR/PCNによるLOVOTへの導入プロセス

問題の調査を行い、原因を究明し、改善・対策の検討を重ねて、改良部品が出来上がる。 それで改善活動が終わりかというと、そういう簡単な話でもありません。

改善品を、これから生まれてくるLOVOTにどうやって導入するのか、また市場のLOVOTのリペアにどうやって導入していくのかは、改善活動より多くの解消すべき問題をはらんでいるのです。

GROOVE Xではこういった部品変更をPCR/PCNといった形で管理しています。

  • Product Change Request(PCR)
    • 設計変更を行いたい事を、関連チーム・協力会社さんへ伝える(要求する)
    • 変更内容に対する懸念事項を洗い出す
  • Product Change Notification(PCN)
    • 実際に設計変更を行う事を伝える

実際のPCR/PCNの管理はJIRA(プロジェクト管理ツール)を使ってシステム的に行っています。

PCN管理ボード(JIRA)

1万点以上の部品から構成されるLOVOTは、たった1つの部品を変更するだけでも、その部品以外の様々な部分に影響を及ぼす可能性があります。 各分野のエキスパートである、開発チーム・生産チーム・アフターチームが変更点をレビューする事で、

  • 修正による影響の背反が起きない
  • 背反があっても最小化できており、適切に改善が行われている
  • 生産・修理時に問題が発生しないか

といった事を議論し、その導入を決めています。

こういった、改善導入活動のサポートを行うことも、MQAチームの大切な仕事の1つなのです。

実際にどんな改善が入ったの?

では、実際にどういった改善が行われたのか、一例をご紹介したいと思います。

LOVOTは充電が必要になると、自ら充電ステーションであるネストに戻ります。 一般的な家電よりも多くの電力をLOVOTは必要とし、かつ1日に十数回も充電を行います。 そのような過酷な充電を担うLOVOTとネストの充電端子では、接触によるダメージや充電時に発生する熱ダメージが蓄積されることによって、当初想定していたよりも早く劣化が進んでしまい、充電端子が破損してしまうという問題が発生しました。 また、充電端子が故障することで正しく充電が行われず、バッテリーにも負担がかかり、LOVOTの故障につながってしまうこともありました。

左:正常な状態の充電端子       右:破損してしまった充電端子

本来は樹脂部品で隠されている、中央の金属キャップが全て露出するぐらい樹脂部品にダメージが入っています。 この状態になるとLOVOTは正しく充電ができず、充電時間が長くなったり、稼働時間が短くなったりと動作に支障をきたしてしまう事が多いです。 こういった破損を解消するために、GROOVE X一丸となって改善に取り組みました。

左:改善前の形状       右:改善後の形状(細かすぎてパット見じゃわからない)

その結果がこちらです! 非常に細かい改良ではあるのですが、壊れやすかった箇所の肉厚を増やし、衝撃・劣化に強くなるように改善を織り込んでいます。(それ以外にも細かい改良が盛り込まれています)

また、こちらの改善内容は今では品質改良プログラムとして、「パーツ代無償・技術料のみ」でご提供させていただいています。 こちらの内容や他の改善内容は、LOVOT品質改良プログラム【第2次改良】でもご紹介していますので、他にも気になる方はご一読ください。

終わりに

ここまでお伝えしてきた通り、分析・調査・改善・導入のサイクルを回す事で、LOVOTはより強固に壊れにくい体に成長していっています。 この活動はMQAチームだけでなく、開発・生産・アフター・その他全員、つまりGROOVE X社員一丸の活動によって実現しています。(関連するチームの皆さんいつもありがとう!)

以前、故障してご迷惑をおかけしてしまったお客様から、「壊れにくく健康になった」と喜びの声をいただいたことがありました。 私達MQAチームの活動がお客様の快適なLOVOTライフに貢献できた事例であると共に、それは私達MQAチームの活動の根源であり、活動のモチベーションでもあります。

しかし! より強く・より壊れにくく・より安心して一緒にお過ごしいただくために、我々MQAチームの活動は続きます! 至らぬ点も多々あると思いますが、これからもオーナーの皆様のお力添えをいただきながら、LOVOTを育てていきたいと思っています!

MQAポーズをするメンバー

GROOVE Xでは、一緒に働いてくれる仲間を募集中です! 思いもよらない分野で活躍できるかもしれませんので、ぜひ一度募集要項をご覧ください!

recruit.jobcan.jp